Lexによる飽くなき音への探求の旅は続く。
日本への深いリスペクトを綴った前作「SATORI」を経て更に進化したサンプリング構築術が織りなす美しい世界が広がる新作「Cairn」。

 

緻密に編み上げられたサンプリング・アートの極致。前作「Satori」で見せたディープな世界観はより進化/深化を遂げ、サンプルとサンプルの境界線は更に曖昧となっていく。内なる宇宙の探索の果てに辿り着いた世界は、多種多様に打ち込まれるビートによって外なる宇宙に繋がりヒップホップに端を発したグルーヴ曼荼羅の果てへとリスナーを導いていく。それはそのまま「静寂の次に美しい音楽」をテーマに掲げたECMとアメリカのジャズとの関係に正確に等しい。レックス・デ・カルへックスが新たに作りあげたこの作品はヒップホップの洗礼を受けた全ての音楽家のケルン(=道標)になるだろう(AWANE

26 April

special site open

 
 
01. Frames
02. 5:00 AM
03. Layered Land
04. Say To You
05. Still Way
06. Distant Present
07. Rain Forest
08. Radiance
09. 梅雨 Tsuyu
10. Passage [feat. Inner Science]
     (日本盤ボーナストラック)
11.
Radiance [Masanori Nozawa Remix]
     (日本盤ボーナストラック)
 
Track 10 [Japan Bonus] : Co-produced & Mixed by – Inner Science
Track 11 [Japan Bonus] : Produced & Mixed by – Masanori Nozawa
Additional Guitar on Track 02 by – Nicolas Besikian
 
Produced, Mixed & Arranged by – Lex (de Kalhex)
Mastered at Riverside Studio, Kimitsu by – Ryota Noguchi
Photography & Artwork by – Alex Besikian

A&R for Japan by – Koizumi Takumi
 
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ROCD19
Rockwell Edition CD
紙ジャケット、帯・ライナー付き
9 + 2 ボーナストラック収録
定価: 2,000+
レーベル: rockwell product shop + Akromégalie Records
 
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AKR11
Limited Edition 12” LP(帯付き)
9曲入り
世界限定 500枚プレス・ダウンロードコード付き
定価: 2,700+
レーベル: Akromégalie Records
 
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Inner Sciense

西村 尚美によるソロ・ユニット。浸透するように透明できらびやかな音色とメロディー、アグレッシブな電子音、そこに拮抗する振り幅の広いリズムを操り、色彩豊かで独特な世界観のインストゥルメンタル/エレクトロニックミュージックを産み出す。それら自作楽曲の音色がフロア中を満たす没入感あふれるライブと、様々な楽曲を大胆に紡ぐスタイルのDJプレイを各地で展開中。
近年では、オリジナル楽曲を2曲収録したデジタルシングル・シリーズ「Single Compression 5」、自身のアンビエントミュージック作品をコンパイルした楽曲集「Ambient Variation」、Black Smoker Records音源のみを使用したサウンドコラージュ作「Black Assembles」、自作音によるサウンドコラージュ集「Assembles 9-12」をそれぞれリリース。また、宇都宮を拠点とするアーティスト・Masanori Nozawaによる楽曲「Return to the galaxy」や、盛岡を拠点とするアーティスト・NOBによる楽曲「Sauna」のリミックス制作、Dachamboのシンセサイザー担当・CD HATAとのアンビエント/ドローン/スプリット・カセットテープ「Metempsychosis」の制作、そして2017年にADC賞グランプリを受賞した日本の町工場をレーベル化するプロジェクト・INDUSTRIAL JPへの参加など、さまざまな活動を続ける。
 

MASANORI NOZAWA (medium

宇都宮市在住 DJ/Producer 栃木県宇都宮市に生を受け、学生時代に手にした一枚のMIXCDからダンスミュージ ックの世界に触れDJとしての活動を始める。テクノ、ハウスを主軸としオープンマ インドな陽性なものから無機で仄暗い陰性なものまで場に応じ展開。地元宇都宮に て箱をまたぎつつおよそ5年、パーティー『medium』をオーガナイズ。楽曲制作に おいては2009年にスタートしスペイン、イギリス、ドイツ、ウクライナなど海外を 中心にデータリリースを重ねる。近年は感情的な要素や空間にウェイトを置いたダ ンスミュージックの制作に取り組む一方、別名義(Allu)においては本名義と表裏一体 とも言える退廃的でより電子的なトラックの生産しカセットテープなどのリリース もしている。2014年Hiroshi Watanabe a.k.a KaitoYuuki Horiをリミキサーに迎え た『medium ep』で12インチアナログデビューを果たし、2016年夏に都内で活動 中のプロデューサーTomi Chairと共にリリースした自身2枚目となるスプリット12 インチ『Four Perpetual Waves EP』は瀧見憲司氏に幾度とプレイされ、Eddie C のチャートにも取り上げられる。また、2017年冬に自身初の2枚組CDアルバム 『III』を発表。現在も新たな楽曲の制作に取り組んでいる。 
 
 
 

ライナーノーツ

ヒップホップというジャンルがこの世に産声を上げてから40年以上が経とうとしている現在に於いて、オーセンティックな手法である「サンプリング」を多用しながらも非常に先鋭的かつ巧みなサンプリングスキルを駆使した本アルバム「Cairn」。
フランスのヒップホップグループ「Kalhex」のメンバーでもあるビートメイカーLexの通算4枚目のソロアルバムとなる本作は、もはやジャンルのカテゴライズが不要と思えるほどの高度な音の造形美が存分に味わえる秀作となっている。
 
彼との出会いは確か2012年頃だったと記憶しているが(出会いの経緯等はアルバム「Full Cycle」のライナーで書いているので今回は割愛させていただく)、知り合ってから彼は何度か日本を訪れ実際の彼とのコミュニケーションや彼の作品のインスタレーションを通じて、彼の人間性や世界観そして日本という国の文化に対する考えなどを色々と知ることができた。
前作「SATORI」はそんな彼の日本への深いリスペクトが作品に還元されると共に、制作ツールもハードウェアがメインのスタイルからソフトウェアベースになったことで、楽曲のアレンジや構造が格段に巧妙かつ多彩なり、彼の中でも大きなターニングポイントになるアルバムとなった。
 
そしてその流れは本作「Cairn」へと受け継がれ更なる進化を遂げてゆく。
 
本作のコンセプトは本人からのコメントを踏まえて解説させていただくと、日本をテーマにした前作「SATORI」に対して、この「Cairn」は新たに彼が旅したヨーロッパ北部の「スカンジナビア」地方での経験からインスパイアされたものとなっている。
現地を旅しながら探り当てたレコード(=サンプルソース)、そして北欧ならではの美しい地形や自然の織り成す独特な色彩による景色が彼の世界観に刺激を与え、このような繊細かつ美しい楽曲で構成される素晴らしいアルバムを形成することとなった。
「Cairn」というワードも、その意味を確認すると「記念碑やランドマークとして積み上げられた石」となっており、彼の考える「人が自然にある身の回りのものを積み上げて新しいものを生み出す」「自然と人間の相互作用から出来上がるプロセスやアイデア」といった創作理念や哲学・世界観を現すものの象徴として今回のアルバムのタイトルとして選ばれた。
 
少しコンセプチュアルな部分に話題が傾き過ぎたので、話題をアルバムそのものの内容や
テクニカルな部分に移そう。
サウンドの構造的には前作「SATORI」の延長上に位置するもので、収録曲はすべて
インストルメンタル曲となっている。
制作のプロセスとしては、先ず彼が訪れた場所(今回であればスカンジナビア地方)をアナログ写真に撮り、それを伝えるべく音に変換していくという彼ならではのユニークな手法が取られている。
実際のアルバム収録曲を細かく聴き進めていくと、スカンジナビア半島の氷河に削られた繊細で美しい地形のような音像が眼前に広がるのだが、サンプリング(=他のレコードや音源を引用)を用いていながらも驚くべきことにこの手法特有の切り貼り感が全く感じられない。
矛盾した言い方になるが、絵に例えると様々な柄や模様の紙をザクザクと切り貼りして作り上げているにもかかわらず水彩画・水墨画のような淡い繊細な色彩が表現されているかのような質感なのである。
音の端々からレコード特有のノイズが僅かに残るから気が付くものの、普通に聴いている分にはこれらがカットアップの手法で構築されたとは分からないほどの整合性があり、彼の恐るべきスキルとセンス、そして気の遠くなるほどの緻密な作業の賜物と言えよう。
 
ラグドなドラムビートにアンビエント〜ニューエイジ的なエレクトリック〜アコースティックピアノがゆらめくTr.1「Flying Frames」、オーガニックなリムショット&パーカッションにきらびやかなシンセが印象的なTr.3「Layered Land」、そして今回のCDアルバムには2人の日本人アーティストとのコラボレーション曲が収録されており、東京在住の西村尚美によるソロ・ユニットInner Scienceとの共作曲となるTr.10「Passage」は天上界に居るが如くの美しいシンセサイザーの音色にゆったりとしたビートが絡む傑作に仕上がっており、二人による良い化学反応が感じ取れる。
一方、栃木県宇都宮を拠点に活動するテクノクリエイターNozawa Masanoriによる収録曲「Rediance」のRemixバージョンは軽快なリニアビート(四つ打ち)に激しくうねる
アレンジが美しくディープな世界観を表現している。
 
こうして本アルバム「Cairn」を通して聴いてみると実に深く美しい音の情景が描かれており、一度壊れてしまうと二度と再現できないような、熟練の職人が造り上げる精巧なガラス細工のような美しさ・繊細さがこのアルバムに満ち溢れている。
ヒップホップをルーツとしながらも彼が生み出す音の世界は、もはや他の者の追従を許さないほどの独自の進化を遂げ崇高なものとなっているが、まだ彼の音のへの探求の旅は続くであろう。
そして、彼が今後更にどのように進化しその素晴らしい音の世界を僕たちに魅せてくれるのか、彼の記したこの「Cairn=道標」に導かれつつ、早くも僕は次の作品を心待ちにしている。(FK)

Lex (de Kalhex) 4th album release party

Cairn

日時:2018年6月8日(金)
会場:中目黒solfa
出演者:Lex (de Kalhex) / 伊藤桂司 / Uyama Hiroto / Segawa Tatsuya / Inner Science / Masanori Nozawa / Toru Hashimoto / Marcus D / FK 他
 
中目黒Solfa
 


 Alex Besikian Solo Art Exhibition

 ~SYSTEM/システム~

期間:2018.05.31(火)~06.14(火)
会場:神田TETOKA

Discography

「Radio Juicy "The Chronic"」
4xLP Box Set Edition

Dday One | Lex (de Kalhex)
「Parallel Presence」
7inch single

ROCD17
3rd album
「SATORI」

ROTP2
3rd album
「SATORI」
Cassette Tape

ROCD8
2nd album
「FULL CYCLE」

ROV2
「Blue Nile b/w Changing Child feat. Segawa Tatsuya」
7inch single

Art Pattern & Lex (de Kalhex)
「ORGANIC EXTENSIONS」
7inch single

Kalhex feat. Grap Luva & Rob-O
「Perspective​(​s) / La Fine Ligne」
12" Maxi-Single

1st Album
「PERFECT PICTURE」

Kalhex 1st album
「Kalhex」

Biography

フランスを拠点に活動し、実兄と友人によるグループ「kalhex」のプロデューサー兼ラッパー。
Kalhexのライブではラッパーとしてパフォーマンスを行うが、ソロではSP404等を駆使したビートライブを行なう。
美術にも造詣が深く、絵の講師を務める傍ら、自身もアーティストとして活動するなど、マルチな才能の持ち主である。
世界に名を知られるきっかけになったのが、INIのメンバーであり、Pete Rockの実弟Grap LuvaとRob-Oをフィーチャーしたシングルが話題を呼び、その後発売されたlexのソロ名義でのアルバムは全世界で注目を集めた。
またその功績からFIND MAGZINとHHV.deが企画するコンピレーションアルバムにも抜擢された注目の若手である。
2018年5月にには通算4枚目となるソロアルバムをリリース予定。
同時期に神田にある老舗ギャラリーTETOKAにてソロエキシビジョンの開催も予定されている。

VIDEO